01
採用難の時代に、求人原稿で差がつく
歯科衛生士の採用が難しい。これはほぼすべての歯科医院が直面している課題です。
有効求人倍率は依然として高く、求人を出しても応募が来ない。来ても条件が合わない。やっと採用できてもすぐに辞めてしまう。
この状況を変えるために、給与を上げる、福利厚生を充実させる、勤務時間を柔軟にする。これらは確かに重要です。重要であり、本質でもあります。しかし、見落とされがちな要素がもう一つあります。
求人原稿の文章です。
求人サイトに掲載されている歯科衛生士の求人原稿を読み比べてみてください。ほとんどが同じような文面であることに気づくはずです。「アットホームな雰囲気」「やりがいのある仕事」「研修制度充実」。どの医院も同じことを書いている。これでは、求職者にとって選ぶ理由がありません。
02
求人原稿は、医院の魅力を言語化する作業
求人原稿を書くことは、単なる事務作業ではありません。自分の医院の魅力を、求職者に伝わる言葉で言語化する作業です。
ここに多くの院長が苦戦します。自分の医院の良さはわかっている。でも、それを言葉にするのが難しい。「うちの良さは、来てもらえればわかるんだけど」。
「来てもらえればわかる」を、来る前に伝えるのが求人原稿の役割。AIは、この言語化をサポートしてくれる。
03
AIへの指示の仕方
求人原稿をAIに書いてもらうとき、重要なのは自分の医院の情報を具体的に伝えることです。
一般的な指示をすると、一般的な文章しか出てきません。「歯科衛生士の求人原稿を書いてください」では、どこにでもある文章になります。AIを使うことで、かえって何の特徴もない文章になってしまう。ここは注意点でもあります。
代わりに、医院の特徴、他の医院と違う点、求職者に伝えたいことを具体的に伝えた上で指示します。開業年数、スタッフ構成、診療方針、残業時間、有給消化率。この情報量で指示すると、AIは「この医院にしか書けない求人原稿」を生成してくれます。
具体的な指示文のテンプレートは、本記事の末尾にまとめています。
04
応募が来る求人原稿の、3つのポイント
良い求人原稿には、読みたくなる理由があります。
一つ目は、冒頭でどんな人に来てほしいかを明示すること。「予防歯科に興味がある方」「患者さんと長期的に関わりたい方」。これが求職者にとってのフィルターになります。自分に合っているかどうかを、最初の3行で判断できる。
二つ目は、この医院で働くと何が得られるかを具体的に書くこと。「スキルアップ」「やりがい」では弱い。「月1回の院内勉強会で○○の技術を学べます」「担当制なので、患者さんの変化を3年、5年と見届けられます」。具体的であるほど、求職者の想像力が働きます。
三つ目は、数字で示すこと。残業時間、有給消化率、勤続年数の平均。数字は嘘をつきません。数字を出せること自体が、それだけで信頼感になります。
もう一つ、重要なポイントがあります。AIに逆に聞いてみることです。医院の特徴や強みを共有した後で、「求職者はどんなことをもっと深掘りして聞きたいですか?」と聞いてみる。すると、AIが伝えた方がいいポイントを逆に質問してきてくれます。このようなAIの特性も活かしながら、伝える情報を整えていきましょう。
05
複数パターンを試す
AIの強みは、複数パターンを一度に生成できることです。
「さっきの情報で3パターンの求人原稿を書いてください。1つ目は予防歯科のやりがいを前面に出したもの。2つ目は働きやすさを前面に出したもの。3つ目は成長環境を前面に出したもの」。
3パターンを比較して、最も自分の医院に合ったものを選ぶ。あるいは3つの良い部分を組み合わせて最終版を作る。一つの原稿に固執する必要はありません。AIがたたき台を量産してくれるので、選ぶ側に回れます。
求人原稿を書いただけで応募の質が変わった事例は、実際にあります。文章の力を侮らないでください。そして、その文章を作る負荷を、AIがサポートしてくれます。
財津 昇
週に一通、経営のレターをお届けしています
「歯科医院 経営と学びのレター」——毎週日曜配信。経営者としての視点、学びを成果に変えるヒント、そしてAIを医院にどう活かすか。週に一通、お届けしています。
